今更聞けない!話題の越境ecとは


少子高齢化が進む日本では今後人口が減少し、国内市場も縮小していくと予想されています。つまり、日本国内だけで商品を販売するということは、既存の販売業者と限られた顧客の奪い合いをしていくという形になるため、激しい競争を勝ち抜いた企業しか生き残れないことを意味するのです。
みなさんは、越境ecという商品販売方法を知っていますか?越境ecで商品を販売することによって、新しい販路を開拓し、新規顧客の獲得を目指すことができます。

 

越境ecが注目されている理由とは

そもそも越境ecとはどういったものを指すのでしょうか?

越境ecとは、簡単に言うと海外を対象としたインターネットショッピングのことを指します。越境とは「国境を越える」ことを意味しており、ecは「electronic commerce(電子商取引)」のことを意味しているのです。
インターネットショッピングを一度は楽しんだことがある人も多いでしょうが、海外企業のサイトを利用して購入したことはありませんか?そのようなショッピング方法が越境ecなのです。

この越境ecが日本で注目されている理由としては、先ほど述べたように日本国内の市場が縮小傾向にあること、海外には中国のように経済成長に伴ってecの利用者数が急激に伸びている国があることが挙げられます。
平成26年度の経済産業省の調査によると、日本、アメリカ、中国の3か国の間で行われた越境ecによる取引額は全ての国で増加しています。なかでも、中国が他国から購入した金額の伸びは凄まじく、購入額1.2兆円、前年対比53.0%増です。今後もこうした越境ecを利用する取引は増えると見込まれているため、注目の販売方法となっています。

【参照URL】http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/h26release.pdf

 

知って得する越境ecのメリットとは

越境ecの最大のメリットは、新規顧客の開拓を比較的容易に行うことができるというものです。

総務省が平成26年度にまとめた「平成26年通信利用動向調査」では、日本国内でインターネットを利用している人は全体の約8割で、人口にすると1億18万人となっています。これに対して、中国のインターネットの利用率は約50%です。利用率だけ見るとまだまだ中国の方が低いですが、中国の人口はおよそ13億人とも言われていますので、その利用者数は6億5千万人程度に上ると推測されます。中国国内を対象にするだけでも、日本の約6倍もの市場に参加できることになり、全世界を対象にすると10倍以上のターゲットを相手に販売することも可能です。

また、インターネット上で店舗を構えることによって、コストを低く抑えることができるというメリットも見逃せません。実店舗を構えると店舗の賃料や人件費などの費用がかかる場合が多く、その分利益が少なくなってしまいます。
しかし、越境ecを行う場合には、店舗を新しく構える必要もありませんので、新たに必要になる費用はほとんどないことも魅力です。

【参照URL】http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/150717_1.pdf

知らなきゃ危険!越境ecのデメリットとは

このように越境ecを利用したビジネスには非常に魅力があるのは事実ですが、デメリットもありますので、よく理解した上で検討しましょう。

越境ecを利用して商品を海外へ販売するためには、当然ですが言葉の問題が立ちはだかります。新しく、英語や中国語でサイトを立ち上げる必要がありますので、元々海外と取引がある会社であれば良いのですが、場合によっては翻訳などを外注しなければならない場合もあるでしょう。

また、決済方法や商習慣なども国によってさまざまですので、対象とする国の実情に合ったものを選ばなくてはなりません。日本国内では問題ないものでも、海外では法律に抵触してしまうこともあります。
また、決済方法についても一部の国ではスパム行為が多発していることもありますので、よく吟味した上で選択する必要があります。

いずれにしても海外で商品を販売する際はマーケティングが必須です。安易に事業を展開する人はいないでしょうが、現地のことをよく調べてから行うことで、デメリットを軽減することができるでしょう。

 

越境ecの始め方

メリットとデメリットをよく検討した上で、「越境ecを始めたい!」という場合にはどのようにすれば良いのでしょうか?

越境ecの始め方には大きく分けて2通りの方法があります。それは「自社のサイトを越境ec向けに変更する方法」と、「越境ec向けのモール型ecサイトに出店する方法」の2つです。

前者の方は自社でサイトを作るので、「翻訳や決済方法をどうするか」といった問題を一から全て決めなくてはならず、ハードルは高くなります。しかし、上手く作ることができれば、自社で管理できるため当然利益率は高くなりますし、自社のアイデアをすぐに実行できるといったというメリットもあります。

一方で、越境ecを行うハードルが低いのは後者です。元々あるインターネットショッピングのサイトに登録して出店すればいいので、比較的容易に行うことができるうえ、困ったことも聞きやすいというメリットがあります。

はじめはecモールに出店し、様子をみてから自社のサイトを作成するのもひとつの手です。

 

まとめ

ここまで述べきたように、越境ecを利用することにはさまざまなメリットがあります。もちろん、デメリットも存在しますが、今後の日本における市場規模を考慮した際に、「日本国内だけで販売することもデメリットになりうる」ということは意識しておいた方が良いでしょう。

そのような観点から考えた時に、越境ecを実際に行うかどうかはともかくとして、調べて検討してみるということは、どの会社にとっても必要なことといえます。


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