カタカナEnglish :デマ&Demagogie


これって同じ意味?日本と英語で意味が異なる単語を紹介する「カタカナEnglish」。
毎週火曜日に配信します。

デマ&Demagogie

今週は「デマ」と「Demagogie」です。
日本では「デマ」というと嘘や根拠のない噂話のような意味で使います。
これは「でまかせ」から来ているのではないか、と思われる方もいらっしゃいますが、もともとの語源となっているのはドイツ語の「Demagogie(デマゴギー)」です。これには政治的効果をねらって、意図的に流される虚偽の情報や、 根拠・確証のないうわさ話の意味があります。
日本では政治活動に関係なく「デマ」=「噂話」として使われてしまっています。

なぜこのような意味になったか?

古代ギリシアでは「dēmagōgos(デマゴゴス)」という「民衆の指導者」という言葉が、「Demagogie(デマゴギー)」の語源となっています。しかし当時のギリシャの政治は堕落しており、民衆が右へ左へ揺さぶられうような扇動的な政治が続いたため、「扇動的指導者」というような意味も含まれるようになったそうです。そこから政治における扇動的な「嘘」や「噂」、「悪宣伝」という意味合いで「Demagogie(デマゴギー)」が用いられています。

日本では明治時代からドイツなど海外からの言葉が、医療や政治など多くの分野に入ってきました。
その中で昭和初期頃から「Demagogie(デマゴギー)」が政治活動の枠を超え、嘘・噂話の「デマ」として広く民衆に広がっていきました。

 

豆知識:デマとガセ

どちらも「嘘」などの意味がありますが「デマ」は「デマゴギー(Demagogie)」に由来しているので「意図的、扇動的なうその情報」という意味があります。なので、デマの発信者には意図的に人々の気持ちをあおったり、行動を起こさせようとする悪意があります。
一方「ガセ」の語源は「お騒がせ」の「ガセ」という説があり、その意味は「偽物」ということで、うっかり誤った情報やうわさ話のことになります。

 

English version はこちら。

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