インバウンドの意味とは?


日本を訪れる外国人旅行客の数は年々増加し、旅行業界においてはインバウンド需要が注目を集めています。日本政府観光局(JNTO)が発表したデータによれば、2016年に日本を訪れた外国人の数は累計で2400万人以上、過去最高の数字となりました(※1)。2020年に東京オリンピックが開催されることを考えれば、インバウンド需要はますます拡大していくでしょう。

今回は、これから日本経済にさまざまな影響をもたらすであろう「インバウンド」についてご紹介します。

インバウンドの意味とは

「インバウンド」という言葉は、旅行業界以外でも活発に使われている場所があります。それはマーケティング業界です。
2006年にアメリカHubSpot社のCEO、ブライアン・ハリガン氏が「インバウンドマーケティング」という新たなマーケティングの手法を提唱したことで注目を集め、広く知られるようになりました(※2)。

そのため何となく耳にしたことがある人は多いでしょうが、そもそも「インバウンド」の意味はご存知でしょうか。インバウンド(inbound)とは、「内側もしくは中心のほうに向いた」「本国に向かう、市内行きの」といった意味のある形容詞です(※3)。「中に、中の」という意味の前置詞inと「~行きの」という意味の形容詞boundが合わさってできた言葉で、対象物が外から中へと向かっている様子を表します。

旅行業界においては訪日外国人による旅行を指し「インバウンド需要」とは訪日外国人による需要のことです。対して、マーケティング業界における「インバウンド」は、消費者から自らの意思で情報を選び、顧客となっていくサイクルのことを言います。企業が消費者を「見つける」のではなく、SNSなどを駆使する消費者に情報を「見つけてもらい」、商品やサービスを「選んでもらう」のです。旧来の手法が「攻め」のマーケティングであるのに対し、インバウンドマーケティングは「待ち」の手法といわれます。

 

インバウンドが注目されている理由とは

インバウンド需要が注目されている背景には、言うまでもなく訪日外国人の増加があります。日本政府観光局(JNTO)の過去のデータをたどると、日本を訪れる外国人の数は2013年に初めて1000万人を突破し、それ以降その数字を伸ばし続けています。リーマンショック後の2009年、東日本大震災のあった2011年は数字がやや落ち込んでいますが、それ以外は継続的に増えていますから、今後も右肩上がりになっていくと考えられます(※4)。

そして中国人旅行客の「爆買い」を見ればわかりますが、訪日外国人は日本国内でさまざまな消費活動をし、日本経済に潤いを与えてくれます。少子高齢化が進み、内需の減退が予想される日本においてはありがたい収益と言えます。

また、マーケティング業界では消費者を取り巻く情報環境の変化から、その注目度が上がっています。現代はパソコンやスマートフォンの普及により、消費者はすぐに情報を検索し必要な知識を得ることができます。そのため、一方的に情報を押し付けられることに抵抗感を抱く人が増えており、旧来のマーケティング手法では消費者の心をつかむのが難しくなっているのです。

 

インバウンドとアウトバウンドの違いとは

インバウンドに対し、アウトバウンド(outbound)とは「中から外へ向かっていく」様子を表し、旅行業界では日本人による海外旅行を指します。1964年に海外旅行が自由化され、それ以降日本人の海外旅行者数は横ばいと上昇を繰り返しながら継続的に増えています(※4)。

また、観光庁は2012年に閣議決定された観光立国推進基本計画に基づき、インバウンドだけでなくアウトバウンド需要の拡大も目指す政策を掲げ、日本人の海外旅行の促進に取り組んでいます(※5)。そのため、旅行業界ではインバウンド需要の拡大のみでなくアウトバウンドに対するアプローチも求められています。

マーケティングにおけるアウトバウンドとは、企業側から消費者に対して積極的にアプローチする手法です。テレビCMや新聞の広告をイメージするとわかりやすいですが、商品やサービスに関する情報を不特定多数の消費者に対して一方的に流すようなやり方です。インバウンドマーケティングが「消費者の欲しい情報を流す」ことを目的としているのに対し、アウトバウンドマーケティングでは「企業の流したい情報を流す」のが前提であり、情報の取り扱い方に両者間の違いがあります。

 

インバウンド対策に多言語翻訳サイトの作成は必須?

このように、インバウンドという言葉は多方面で注目を集めています。使われる文脈によって具体的な内容は変わりますが、基本的な意味は「内に向かう」です。
マーケティング業界においては、消費者を取り巻く環境が大きく変化したことによって次第にその重要性が増し、消費者への新たなアプローチ方法としてひとつのキーワードになっています。

また、今後人口の減少により日本国内の経済活動が徐々に落ち込んでいくと考えれば、あらゆる分野で海外からの需要を呼び込む必要性があると言えるでしょう。世界のあちこちにいる潜在顧客をいかに日本に呼び込み、消費活動をしてもらうかが日本経済活性化の鍵になってくるのです。

そのため、世界に対してどのように情報を提供していくかを考えなければなりません。いろいろと方法はありますが、たとえば多言語翻訳サイトは多方面へのスムーズな情報提供に一役買ってくれます。多言語翻訳サイトとは多言語に対応したホームページの作成や海外向けプロモーションを手伝ってくれるサイトです。自社が海外進出を考えているなら、ぜひとも活用したいサイトと言えるでしょう。

 

※1.【日本政府観光局(JNTO)】PRESS RELEASE(報道発表資料) http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/170117_monthly.pdf#search=%27%E8%A8%AA%E6%97%A5%E5%A4%96%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E6%95%B0+2016%27
※2.【株式会社イノーバ】インバウンドマーケティングとは? 5分でわかる総論と実践のポイント https://innova-jp.com/5min-to-learn-inbound-marketing/
※3.【Weblio辞書】英和辞典 http://ejje.weblio.jp/content/inbound
※4.【日本政府観光局(JNTO)】年別訪日外客数、出国日本人数の推移 http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/marketingdata_outbound.pdf
※5.【国土交通省観光庁】政策について http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kokusai/kaigairyoko.html

 


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